本と映画と音楽の日々

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アリス・イン・ワンダーランドにみる現代の姫君像

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2010年に公開された映画

アリス・イン・ワンダーランド

ルイス・キャロル原作の

不思議の国のアリスの世界を基盤にしたファンタジー映画

原作とはだいぶ違いますが

原作自体がファンタジー童話なので

まあ、違和感なく観れます

私はあまり期待せず観たんですが

マッドハッター役のジョニー・デップに釣られて(笑)

予想を裏切って

とても楽しく観れました

物語自体も面白かったですが

新鮮だったのが

従来のお姫様物語とは違うハッピーエンド

昔の童話は

美しい女の子が不遇な目に合いながらも

最後は白馬に乗った王子様に見初められて

めでたしめでたし

この物語は違う

すべてがアリスの意志によって物語が進んでいく

映画の冒頭では

昔の童話のような

お姫様物語が進行しようとする

美しく着飾ったアリス

盛大なパーティーに出席

貴族の立派な男性にプロポーズされる

そのままプロポーズを受け入れれば

なんの心配もない安楽な生活を送ることができる

しかしアリスは

ドレスの下にコルセットもペチコートも着けず

イモムシを平気でつかむ

独特の感性を持った女の子

敷かれたレールの上を歩くことに

大きな戸惑いを感じている

ウサギを追いかけてワンダーランドに迷いこんだアリスは

何がなんだかわからないながらも

自分のせいで

赤の女王に捕らえられてしまったマッドハッターを救うために戦う

そこからアリスはどんどん変わっていく

決められた運命ではなく

自分の意志で進んでいく

アリスのセリフも変化していく

ワンダーランドにくる前は

「結婚したいかどうかわからないわ」

「パーティーにでなくてもいいでしょ?誰も気づかないわ」

「考えさせて」

迷いの多い言葉

ワンダーランドにきてからは

「運命は自分で決めるわ」

「私の人生は自分で決めさせて」

「王子様なんていないわ」

なんの迷いもない

キッパリとした意志

そして最後は

王子様に幸せにしてもらうのではなく

やりがいのある仕事をつかみとる

まさに

現代のシンデレラストーリー

時代によってお姫様像は変化する

グリムやアンデルセンの時代には

お姫様自身の意志は必要なかったが

現代のお姫様が幸せをつかみとるには

キッパリとした意志が必要なのだ

そしてやっぱり

ジョニー・デップは最高だ(笑)

2016年公開の続編はまだ観ていないが

そのうち観てみようと思う