老人介護なんていう仕事をしていると
自分の老後について
深~く考えてしまうことがある
施設の手のかかるじいさんばあさんを見ていると
こうはなりたくないよなあ
と、思ってしまったり
誰もそうなりたくてなってるわけではないだろうが
自分で自分をコントロールできなくなるのは
やっぱりイヤだ
この仕事を始めてから
よく読み返す本がある
田辺聖子の姥シリーズ
姥ざかり
姥ときめき
姥うかれ
姥勝手
この4作品で完結してます
主人公は76歳の歌子さん
戦後は頼りない夫を支えながら
船場の老舗呉服問屋を再興
3人の子供を育て上げ
頑張ってきた
息子が店を継いでからは
東神戸のマンションで
悠々自適の一人暮らし
書道の先生や株などの投資をする傍ら
英語教室や絵画教室に通い
海外旅行などにも行く
キレイなものや楽しいことが大好きで
宝塚の舞台を観るのが大好き
海の見える部屋で
ラベンダー色の絹の服を着て
北欧風の家具に囲まれて暮らしている
誠に羨ましい老後であるが
若い頃の苦労や努力で築きあげたもの
資産を活用し
算段して手に入れた生活だ
誰に文句を言われる筋合いもない
この歌子ばあさん
清く正しく美しく
をモットーに
しっかり自分の人生を生きている
友達もたくさんいて
昔の使用人なども歌子さんを慕って
引退後もちょくちょく訪ねてくる
歌子さんのまわりは365日賑やかで
人が自然に集まってくる
息子や嫁と言い合いになっても負けることはないし
思考が柔軟で進歩的
まさにスーパーばあさん
歌子さんのように生きることができて
誰に迷惑もかけず
コロッと逝くことができたら
最高の老後だろう
小説のようにはいかないにしても
心地よい老後を迎えたいとは誰もが思っていることだと思う
私などはまず経済力が真似できないし
歌子さんほど人間的魅力がないので
ひとりぼっちで暮らす可能性大(^_^;)
ま、孤独が好きなので
さほど苦にはならないとは思いますが
ホントはもっと前から考えるべきだったんでしょうが
50になってから
やっと具体的な老後を考えはじめた
どういう老後になるか
今はちょっと楽しみだったりします