扉をたたくのはあたし
あなたの胸にひびくでしょう
小さな声が聞こえるでしょ
あたしの姿は見えないの
10年前の夏の朝
あたしは広島で死んだ
そのまま6つの女の子
いつまでたっても6つなの
あたしの髪に火がついて
目と手が焼けてしまったの
あたしは冷たい灰になり
風で遠くへととび散った
あたしはなんにもいらないの
だれにもだいてもらえないの
紙切れのように燃えた子は
おいしいお菓子も食べられない
扉をたたくのはあたし
みんなが笑って暮らせるように
おいしいお菓子が食べられるように
扉をたたくのはあたし
あなたの胸にひびくでしょ
ナジム·ヒクメット作
訳 飯塚弘
「死んだ女の子」
この詩を読んだことのある人もいると思います
トルコの詩人ヒクメットが
広島の原爆投下を題材にした詩
終戦記念日の今日
この詩を知らない人にも読んでもらいたいと思って
記事にしてみました
多くは語りません
この詩の女の子が何を伝えたいのか
平和ということの意味を
国民ひとりひとりが
真剣に考えなくてはいけない時代がきている
魂の底からそう思います