本と映画と音楽の日々

主に好きな映画や本のことを書いてます。日常のこともダラダラ書いてたりします。気が向いたらお立ち寄りください。

悪魔の辞典は面白いか?

私が学生の頃

中学生だったか高校生だったか覚えていないが

先生が授業の合間に「悪魔の辞典」を読んで聞かせてくれたことがある

 

悪魔の辞典はアンブローズ  ビアスの著書

普通の辞書のように単語の説明をしている

普通の辞書と違うところは

風刺家として知られていたビアス

独自の説明をつけているところである

 

あのとき先生が読んでくれたのがなんだったか

はっきり覚えているのは「猫」ぐらいだが

おぼろな記憶を掘り起こしてみた

 


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こんな感じで全編辞書の体裁をとっている書物である

 

確かこれらの単語の部分を読んでくれたような記憶がある

 

読んでいる間

生徒全員し~んとしていて

猫のところで少し笑ったぐらい

 

読み終わってから先生は

 

この本を毎年読み聞かせているが

以前はこれを読むと生徒は大笑いしたものだ

しかし最近ではまったく笑わなくなってきた

もしかしたら意味がわかっていないのではないか

 

というようなことを言った

 

いや、先生

意味はわかっている

わかっているけど

何が笑えるのかわからない

 

決して面白くないことはない

むしろ面白い

でも大笑いするような面白さとは違う

これを読んで笑うとしたら

腹を抱えて爆笑するのではなく

口の端を上げてふっと笑う

皮肉でちょっと意地悪な

そんな笑いである

 

何年か前に

そんなことを思い出して

悪魔の辞典を買ってみた


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訳者によって表現は違うだろうが

意味は同じだ

 

中身はやたら宗教的な文言が多く

政治的な単語も多い

 

おそらく時世的なものか

お国柄なのか

はたまたビアスの人生観なのか

ジャーナリストだったビアスらしく

風刺のきいた内容だ

 

自分で読んでみて思ったのは

わかっていないのは先生のほうだったのではないかということ

本の内容がではない

 

生徒のことが、だ

 

はじめて読み聞かせたのが何年前だったか知らないが

当時と私の学生時代とは年代が違う

世の中日々変化しているのだ

世相も変われば笑いのツボも変わる

 

ましてや日本人には理解が難しい宗教関連の言葉も多い

 

意味がわからないのではない

 

笑いの方向が変わったのである

 

先生は悪魔の辞典がいつまでも笑えるものだと思っていたから

生徒の反応が変わったことの意味がわからなかった

 

そういうことなのではないだろうか?

 

おそらくたまには息抜きさせようと思って読んでくれたんでしょうけど

 

あまり息抜きにはならなかったかも