いつもホラーの話ばかりで芸がないとは思いますが
やっぱり好きなジャンルに行ってしまうのは仕方がない
と、開き直って
今回は小説のお話
タイトルは「クレイヴァリング教授の新発見」
作者はパトリシア ハイスミス
かの有名な「太陽がいっぱい」の原作者ですね
これは初期の頃の短編集
この中のひとつにあった話です
クレイヴァリング教授はある島に棲んでいると言われている巨大な人食いかたつむりを探しに出かけます
自分の研究のために
準備万端整えて船で島に向かいます
島に到着すると教授は噂の巨大なかたつむりを見つけ
嬉々として眺めたり写真をとったり
たかがノロマなかたつむりと侮って観察していた
しかしこのかたつむり
移動するスピードは結構早いし
教授よりかなりデカイ
木が生えてたって岩場だって海の中だっておかまいなしで追いかけてくる
さすがにマズイと思った教授
船に戻って逃げようとするが
船が見当たらない
気がつくともう一匹巨大かたつむりがいて
そいつが船を繋いでいる縄を噛みきっていた
かたつむりに挟み撃ちにされ
船は海の上
泳いで行けなくもないが
海の中でかたつむりに襲われたら逆に危険と思い
なんとか陸地で避難できそうな場所を探す
窮地を逃れてみたものの
疲労と空腹で力尽き
最後はかたつむりに食われてしまいます
ホラー映画にしたらすごい面白い作品になりそうだな~と思いました
何かに襲われるっていうホラーはよくありますが
かたつむりってあまりないし
っていうか見たことない
映画化はされてないと思うんですが
多分(^_^;)
ハイスミス自身もかたつむりの観察をしているそうで
だからこそ書けた作品でしょうね
かたつむりの生態とか
結構詳しく書いてます
この短編集はかたつむりだけじゃなくて
変わった視点のミステリーで構成されてて結構新鮮
デビュー作も入った初期の作品集です
興味ある方は読んでみてください