本と映画と音楽の日々

主に好きな映画や本のことを書いてます。日常のこともダラダラ書いてたりします。気が向いたらお立ち寄りください。

群衆

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アメリカの小説家

レイ・ブラッドベリの短編に

「群衆」というのがある

事故などで倒れている人間がいると

どこからともなく現れる不思議な群衆

主人公は

ついさっきまで閑散としていた道路が

人が倒れていると

みるみるうちに野次馬で埋め尽くされるのを

不思議な気持ちで見ている

いったいこの群衆はどこから出てきたんだ?

やがて主人公はある法則に気がつく

群衆は現れるときと現れないときがあり

群衆が現れると

囲まれた負傷者は死んでしまう

そんなバカな

と思いながら

群衆が死者を作っているという恐怖から逃れられない

最後には主人公も群衆に殺されてしまう

と、だいたいこんな内容なんですが

最近のニュース、報道を見てて思い出しました

新潟県知事の女性問題

福田事務次官のセクハラ問題

TOKIO山口の強制わいせつ問題

その他芸能人や有名人の不倫報道

etc.

小説じゃないけど

群衆が個人を殺すんだな、と

漠然と思った

この場合

実際の生死じゃなくて

個人の存在の否定、抹殺という意味ですね

たとえ犯罪者、あるいは不適格者の烙印を押されたとしても

やり直しの機会ぐらい与えてもいいんじゃないの?

特に山口の件なんて

いつまでやってんだよ

まあジャニーズの人気グループのメンバーだったから

世間の関心も高いし

視聴率とるには格好のニュースソースなんだろうけど

いまだに関連報道でてるって…

被害者の親御さんも

「被害者も加害者も、将来を閉じてしまうことは望まない。そっとしておいてください」とコメントだしてるのに

報道機関も視聴者も

無責任な群衆のひとりだってことに気がつけよ

ブラッドベリの群衆が読みたい方いましたら

創元推理文庫の「10月はたそがれの国」に収録されてます